TPPウォッチャー志願者のためのオープンフォーラム
2013年5月11日に名古屋YWCAにて開催された
TPPオープンフォーラムについてご報告します。
このイベントの実施にあたり、我々泉京・垂井も
実行委員会の構成団体として協力しました。
イベントは、名古屋YWCA2階のビックスペースにて行われました。
参加者は80人程で、当初予想していた人数を大幅に超えて盛況となりました。
全国からTPP問題に関わり続けてきた活動実践者が集まり、
ひた隠しにされているTPPの情報や、
参加することによる懸念事項などについて、
TPP参加の判断基準となる情報を参加者に提供できる場としました。
↑TPPウォッチャー志願者のためのオープンフォーラム、スタートです!
パネラーは本法人理事でもある神田浩史(西濃環境NPOネットワーク)を
コーディネーターに、以下の方をお招きして進行しました。
武田かおりさん(NPO法人AMネット事務局長)
近藤康男さん(TPPに反対する人の運動)
谷山博史さん(NPO法人日本国際ボランティアセンター代表理事)
松平尚也さん(NPO法人AMネット代表理事)
内田聖子さん(NPO法人アジア太平洋資料センター事務局長)
池住義憲さん(立教大学特任教授)
これまで東京・大阪・一宮と継続的に開催してきた市民と政府の意見交換会の経緯、
そして市民がTPPに関する正確な情報を獲得し難い現在の状況について、
TPP問題を自分たちや地域の問題として捉え、判断するためのきっかけとして
フォーラムが開催されることなどを、NPO法人名古屋NGOセンター理事長の
西井和裕さんが説明をしました。
次にTPPに関する最新の情報について、
パネラーの皆さんから以下のようなお話がありました。
武田さんからは、情報公開がされていない現在の状況の中にあっては、
市民が良し悪しの状況判断をすることができないこと、
市民に知らされていないままにTPP参加が決定してしまうことへの懸念、
また過去に会ったMAI(多国間投資協定)の交渉時には大きな反対運動が
あったことなどをお話し頂きました。
近藤さんは、このTPP交渉は中央で決まったことを
地方へ押し付けていく形であることの指摘と、
決めなければいけないことを決めずに、
決めなくてもいいことを決めている政策の矛盾に対しての不安を語られました。
谷山さんからは、食と農の行き過ぎたグローバル化により
2007~2008年に食糧危機が発生し、途上国の人々が被害に苦しんだこと、
また食の商品化や農の企業化、工業化への不安、
そして農民から土地や水などの地域資源が奪われ、農村や漁村が崩壊していき、
グローバル化が日本の地方にも影響を与える事への懸念についてお話し頂きました。
松平さんは、日本の農産物は十分に自由化されており、EUよりも平均関税率は低いこと、
そしてTPP参加国は輸出国が多く、基幹作物すら守れない可能性もあるという点をあげ、
何百年と続いてきた農の形、食べ物の形の骨格が変わってしまうことに対して
強い怒りを表明されました。
内田さんは、反対運動を行う団体がつかんでいる情報と、
政府が発信している情報の違いを指摘され、
マスメディア全体がTPPを推進するかのような報道に対して懸念を表明されました。
またバングラデシュでビル崩壊事件が起こったことを例に挙げ、
行き過ぎたグローバル化や自由貿易は南北格差を助長すると説明されました。
そしてTPPの情報が正確に開示されていない現状では、
一人一人が様々なツールを駆使して正確な情報を得て、
各自で判断することが大事であることを強調しておられました。
池住さんは、安い農作物の輸入による国内農業の崩壊と環境の破壊、
遺伝子組み換え作物(GMO)や食品添加物の表示義務の緩和や撤廃、
低賃金の外国人労働者参入による日本人の雇用の喪失、国民皆保険制度の崩壊、
公共事業の国際入札範囲の拡大による海外企業の参入、
ISD条項による国家間紛争の危険性など、
TPP参加による様々な危険性についてお話しされました。
その後会場では、参加者に体を使って参加してもらう
“Yes”“No”クイズを行いました。
↑質問:TPPに入れば、市民の暮らしは豊かになる?
谷山さん、松平さん、近藤さんからTPPに関する質問を出してもらい
参加者の皆さんに正解だと思う場所へ移動してもらいました。
次にTPPに関する活動紹介として、名古屋、瀬戸、刈谷、岐阜、垂井の
活動メンバーが報告を行いました。
垂井については、泉京・垂井の田中が、地域で行う多様な取り組みについて報告しました。
↑まちづくり、環境、多文化共生、都市農村交流などの活動を説明しました。
最後に今後の展望についての話し合いが行われました。
各地域での活動を大切にしながら連携し、
自分たちにできることを行っていくことが大切であること、
また夏に行われる参院選での国民の選択が大きな役割を担うこと、
メディアに対しても積極的にアプローチしていくことなど
多様な視点で考えることの大切さが訴えられ
TPPオープンフォーラムは幕を閉じました。
実行委員とパネラーの方々はその後の交流会にも参加され、
翌日はクローズな会議にて今後の動きについての話し合いが行われました。
我々泉京・垂井のスタッフも会議に参加させて頂き、
非常に有意義な2日間となりました。
北は北海道、西は鳥取と全国から多くの方が集まり、
TPPについて考えるための情報共有の場として
有意義なフォーラムとなったのではないかと思います。
当日の様子については、以下のホームページ、ブログも合わせてご覧下さい。
なお、IWJの動画については、一般公開の期間が限られているため、
お早めにご覧いただければ幸いです。
◆NPO法人名古屋NGOセンター TPPフォーラム議事録◆
◆NPO法人名古屋NGOセンター ホームページ◆
◆偽百姓ブログ [録]TPPウォッチャー志願者のためのオープンフォーラム@名古屋 その1◆
◆偽百姓ブログ [録]TPPウォッチャー志願者のためのオープンフォーラム@名古屋 その2◆
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